特別講演
神谷 和孝(かみや かずたか)

略歴
1993年 | 神戸大学医学部医学科卒業 |
1996年 | 東京大学医学部眼科学教室 助手 |
2001年 | 国立病院機構東京病院 眼科医長 |
2003年 | 公立学校共済組合関東中央病院 眼科部長 |
2006年 | 北里大学医学部眼科学 専任講師 |
2011年 | 北里大学医学部眼科学 准教授 |
2017年 | Cleveland Clinic, Cole Eye Institute 北里大学医療衛生学部視覚生理学 教授 |
2018年 | 北里大学院医療研究科大学院 教授 現在に至る |
ワンランク上のICL手術を目指して
北里大学 神谷 和孝 先生
有水晶体眼内レンズは、レーシック手術と比較して高い安全性・有効性だけでなく、術後視機能の優位性が注目されています。個体差の大きい角膜創傷治癒反応を受けにくく、安定性や予測性も極めて良好です。高価なレーザー装置も不要であり、白内障手術に習熟したサージャンであれば手術手技も難しくありません。強度近視だけでなく中等度近視にまで適応が拡大しつつあります。実際に国内におけるレーシック手術需要は大幅に減退しており、代わって後房型有水晶体眼内レンズ(Visian ICLTM, STAAR Surgical社)が台頭しています。社会全体としての認知度も高まったこともあり、唯一ICL手術だけが抜きん出て増加しており、現在の国内市場を席巻しているといっても過言ではありません。次世代のプラットフォームとしての地位を確立しています。ただし、急速な普及の反動として手術の質が低下する可能性も否定できません。
本講演では、ICL手術が正しく普及するためにこれまで取り組んできた活動やICL手術に関する最近の工夫を紹介し、実践的なトラブルシューティングやAIを使ったレンズサイズの最適化についても言及したいと思います。