屈折矯正セッション
松村 沙衣子(まつむら さいこ)

略歴
| 2002年 | 東邦大学医療センター大森病院入局 |
| 2004年 | 東邦大学大学院博士課程入学 |
| 2008年 | 東邦大学医療センター大森病院助教 |
| 2008年 | 済生会横浜市東部病院眼科医長 |
| 2008年 | 済生会横浜市東部病院眼科医長 |
| 2017年 | シンガポール国立眼センター クリニカルリサーチフェロー |
| 2020年 | 東邦大学医療センター大森病院助教 |
| 2023年 | 東邦大学医療センター大森病院眼科講師 |
近視進行抑制の今: 日常診療に役立つ最新知見と実践法
東邦大学 松村 沙衣子 先生
近年、小児近視の増加は世界的に顕著であり、早期介入と継続的マネジメントの重要性が改めて認識されている。筆者は留学先での疫学研究を通じて、高度近視眼で生じる眼球構造変化や合併症の実態を学び、早期からの介入の必要性を再確認した。当院の近視外来では、エビデンスに基づいた薬理学的・光学的治療の選択、疾患性近視との鑑別、さらに家族の理解とモチベーションを重視した継続支援を柱に診療を展開している。
近視進行抑制の選択肢は拡大を続けており、低濃度アトロピン点眼をはじめ、オルソケラトロジー、多焦点ソフトコンタクトレンズ、レッドライト療法など、複数の介入法が臨床実装されている。近年は、低濃度アトロピン点眼の承認に続き、多焦点レンズや近視管理用眼鏡のガイドライン整備も進み、治療戦略は新たな段階を迎えている。また、これらの治療に伴う脈絡膜厚や血流動態の変化が眼軸伸長抑制と関連することが報告されており、当院でもOCTやレーザースペックル解析を活用した研究を進めている。
本講演では、最新のエビデンスと臨床知見を基に、治療開始の判断基準、治療効果の評価、治療間の切り替えや併用の考え方、アプリを活用した長期管理の工夫など、日常診療で実践できる近視マネジメントのポイントを具体的に紹介する。

