白内障セッション
増田 洋一郎(ますだ よういちろう)

略歴
| 1997年 | 東京慈恵会医科大学 医学部卒業 |
| 1999年 | 東京慈恵会医科大学 眼科学講座助手 |
| 2006年 | 米国スタンフォード大学 客員研究員 |
| 2012年 | 東京慈恵会医科大学 眼科学講座講師 |
| 2023年 | 東京慈恵会医科大学 眼科学講座准教授 現在に至る |
水晶体嚢変性から考える白内障手術
東京慈恵会医科大学 増田 洋一郎 先生
白内障手術において、水晶体嚢は眼内レンズ(IOL)の支持基盤となる重要な組織である。しかし、その性状は一様ではなく、加齢や疾患に伴う変化にも目を向ける必要がある。術中の安全性や術後のIOL偏位・脱臼を考えるうえでは、チン小帯の状態に加え、水晶体嚢そのものの健全性を理解することが重要となる。
白内障およびIOL脱臼症例における水晶体嚢の病理所見は、水晶体上皮細胞(LEC)障害と嚢変性の関わりを考える手がかりとなる。LECは、嚢の形成に加えて水・イオン輸送を介した水晶体の恒常性維持にも関与している。LEC障害という視点は、白色膨隆白内障の病態を理解するうえでも重要である。また、加齢などに伴う嚢の層状分離にも着目することで、水晶体・IOL支持不全をチン小帯だけではなく、嚢を含めた支持組織の問題として捉えることができる。
本講演では、臨床・病理学的検討をもとに、水晶体嚢変性と上皮細胞障害、白色膨隆白内障、水晶体嚢・チン小帯の支持不全を取り上げ、臨床所見と病理所見を対比しながら解説する。さらに、これらの病態を踏まえた手術の工夫やIOL固定法について紹介し、術中の安全性と術後長期にわたるIOLの安定性を見据えた白内障手術について考えたい。
2026PP18305

